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皆さんこんにちは!
有限会社防長機工、更新担当の中西です。
前回は据付・試運転のポイントをご紹介しましたが、今回はシリーズ第3回として、**「プラント設備のトラブル事例とその対処法」**をお届けします。
プラント運用中には、想定外のトラブルが発生することもあります。事前に典型的な事例と対処法を知っておくことで、迅速かつ的確に対応でき、生産停止のリスクを最小限に抑えられます。それでは、代表的なトラブルケースを見ていきましょう!
事例:蒸気ラインで異常振動が発生し、近隣設備への騒音クレームが増加
原因:流速過大による共振現象、配管支持不良
対処法
流量調整バルブで速度を適正化
振動解析を実施し、共振周波数を回避
支持金具の追加・補強で固定強度を向上
事例:冷却水ポンプが連続運転中に過熱し、シール部から漏れが発生
原因:軸受の潤滑不足、運転負荷の急激な変動
対処法
定期的な潤滑油交換とグリースアップの実施
過負荷検知装置を導入し、負荷変動時に自動停止
ポンプ運転曲線に基づく適正流量運転
事例:制御盤内のリレーが誤作動し、連動するバルブが開閉を繰り返す
原因:端子の緩み、ノイズによる誤信号
対処法
結線端子の定期点検と増し締め
電磁ノイズ対策としてフェライトコアやノイズフィルタを設置
PLCプログラムにデバウンス(チャタリング防止)処理を追加
事例:熱交換効率が低下し、温度到達に時間がかかるようになった
原因:水質管理不良によるスケール(カルシウム・ケイ素系)の付着
対処法
定期的なケミカルクリーニングでスケール除去
水処理装置の導入による硬度コントロール
運転条件に合わせた逆洗(バックフラッシュ)運転の実施
事例:定期検査で表面にヘアクラックを検出
原因:応力腐食割れ、疲労亀裂の進行
対処法
クラック周辺を研磨・研削し、応力集中を緩和
補修用溶接と熱処理で強度回復
超音波探傷検査(UT)や磁粉探傷(MT)によるフォローアップ点検
典型的なトラブル事例を把握し、現場教育に活用
定期点検・予防保全で未然にリスクを低減
発生時は原因分析→対策実施→フォローアップ点検の流れを徹底
プラント運用においては、トラブル発生そのものをゼロにするのは難しいもの。しかし、事前の準備と迅速な対応で、ダウンタイムを最小化し、安定稼働を維持できます。
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