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月別アーカイブ: 2025年4月

第6回機械器具設置工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社防長機工、更新担当の中西です。

前回は据付・試運転のポイントをご紹介しましたが、今回はシリーズ第3回として、**「プラント設備のトラブル事例とその対処法」**をお届けします。

プラント運用中には、想定外のトラブルが発生することもあります。事前に典型的な事例と対処法を知っておくことで、迅速かつ的確に対応でき、生産停止のリスクを最小限に抑えられます。それでは、代表的なトラブルケースを見ていきましょう!


1. 配管の振動・騒音トラブル

事例:蒸気ラインで異常振動が発生し、近隣設備への騒音クレームが増加
原因:流速過大による共振現象、配管支持不良
対処法

  • 流量調整バルブで速度を適正化

  • 振動解析を実施し、共振周波数を回避

  • 支持金具の追加・補強で固定強度を向上


2. ポンプの過熱・焼き付き

事例:冷却水ポンプが連続運転中に過熱し、シール部から漏れが発生
原因:軸受の潤滑不足、運転負荷の急激な変動
対処法

  • 定期的な潤滑油交換とグリースアップの実施

  • 過負荷検知装置を導入し、負荷変動時に自動停止

  • ポンプ運転曲線に基づく適正流量運転


3. 電気制御盤の誤動作

事例:制御盤内のリレーが誤作動し、連動するバルブが開閉を繰り返す
原因:端子の緩み、ノイズによる誤信号
対処法

  • 結線端子の定期点検と増し締め

  • 電磁ノイズ対策としてフェライトコアやノイズフィルタを設置

  • PLCプログラムにデバウンス(チャタリング防止)処理を追加


4. 熱交換器のスケール堆積

事例:熱交換効率が低下し、温度到達に時間がかかるようになった
原因:水質管理不良によるスケール(カルシウム・ケイ素系)の付着
対処法

  • 定期的なケミカルクリーニングでスケール除去

  • 水処理装置の導入による硬度コントロール

  • 運転条件に合わせた逆洗(バックフラッシュ)運転の実施


5. 圧力容器の微小クラック発生

事例:定期検査で表面にヘアクラックを検出
原因:応力腐食割れ、疲労亀裂の進行
対処法

  • クラック周辺を研磨・研削し、応力集中を緩和

  • 補修用溶接と熱処理で強度回復

  • 超音波探傷検査(UT)や磁粉探傷(MT)によるフォローアップ点検


まとめ~事前準備と迅速対応で安定稼働を実現~

  1. 典型的なトラブル事例を把握し、現場教育に活用

  2. 定期点検・予防保全で未然にリスクを低減

  3. 発生時は原因分析→対策実施→フォローアップ点検の流れを徹底

プラント運用においては、トラブル発生そのものをゼロにするのは難しいもの。しかし、事前の準備と迅速な対応で、ダウンタイムを最小化し、安定稼働を維持できます。

詳しくはこちら!

 

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第5回機械器具設置工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社防長機工、更新担当の中西です。

前回は「プラントの交換時期」についてお話しましたが、今回はその続きとして、更新後の据付作業や試運転で気をつけるポイントについてご紹介します!

新しい設備を導入する際には、「据付」と「試運転」を確実に行うことが、今後の安全運用に直結します。ただ機器を入れ替えるだけでは不十分。設置から稼働までの各工程で、しっかりとした確認と調整が必要です。

今回は、そんな据付・試運転の基本的な流れと、トラブルを防ぐためのポイントを分かりやすくまとめました。


1. 据付作業の流れと注意点

プラント設備の据付は、安全性と精度が最も求められる作業のひとつです。

据付の基本フロー

  • 機器搬入:運搬時の振動や衝撃対策を行う

  • 据付位置の確認:水平・高さ・配管の取り合いを事前チェック

  • 固定・アンカー施工:地震や振動に耐えられる固定を実施

  • 接続作業:配管・電気・計装機器との接続を慎重に行う

注意点

  • 水平・垂直が取れていないと、振動や騒音の原因になります。

  • 周囲とのクリアランス(作業スペース)も確認しておくことが重要です。

  • 各種図面(設計図・配管図・結線図)との照合を現場で行い、ミスを防止しましょう。


2. 試運転の目的と手順

試運転は、設備が正しく動作し、安全に使用できる状態かを確認するための重要なステップです。

試運転の主な目的

  • 機器の動作確認(回転・圧力・温度など)

  • 制御装置・センサー類の動作チェック

  • 漏れや異常音の確認

  • 装置間の連携・自動運転機能の検証

試運転の進め方

  1. 単体運転(単体の機器を個別にチェック)

  2. 系統運転(関連設備を組み合わせて動作確認)

  3. 総合運転(全体を通しての運転テスト)

段階を追って慎重に確認していくことで、突発的なトラブルを防げます。


3. よくあるトラブルとその対策

据付や試運転時には、以下のようなトラブルが起きやすいため、事前の準備と慎重な確認が大切です。

トラブル内容 主な原因 対策方法
配管からの漏れ パッキンの劣化、締付け不足 再締付け・部品交換
機器の異常振動・騒音 設置不良、アンバランス 再据付、水平調整、バランス調整
センサーの誤作動 配線ミス、キャリブレーション不足 配線見直し・再設定
制御信号が動作しない PLC設定ミス、接続不良 設定確認・端子再接続

4. 試運転後の最終確認と引き渡し

試運転が無事終了したら、以下の点を最終確認しましょう。

  • 記録簿・チェックリストの記入

  • 操作マニュアルの整備

  • 保守管理用データの取得

  • 現場作業者への操作説明・引き継ぎ

これらを丁寧に行うことで、現場でのスムーズな運用が可能になります。


5. まとめ~据付・試運転は信頼できる技術力で

プラントの更新は、据付・試運転の段階が最も大切な仕上げの工程です。

  • 正確な据付で、機器の性能を最大限に発揮!

  • 丁寧な試運転で、トラブルを未然に防止!

  • 最後の確認まで抜かりなく、安全・安心のスタートを!

有限会社防長機工では、豊富な経験と確かな技術力で、据付から試運転まで一貫してサポートしています。


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